香港MBA留学後記

留学、その後

香港滞在折り返し地点~振り返り

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早いもので昨年7月末に香港に来てから既に半年が過ぎ、香港に滞在するのも最大で残り半年となってしまった。今年の8月以降は上海に移り、(選考にうまく通れば)CEIBS-中欧国際工商学院に交換留学に行くことになる。

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学校の授業

Fall 1とFall 2それぞれ約2ヶ月ずつのセメスターに加え、約3週間のみのWinterセメスターが終わったわけだが、Fall 2はとりわけ大変だった。ほとんどの時間を課題の準備に追われてしまったと言える。

Fall 1

Management of Organization(成績A、学んだ度★★★☆☆)

Managerial Micro Economics(成績A、学んだ度★★★☆☆)

Financial Accounting(成績A、学んだ度★☆☆☆☆)

Corporate Finance(成績B+、学んだ度★☆☆☆☆)

Strategic Alliance in China(成績Pass、学んだ度☆☆☆☆☆)

The Art of War and Eastern Wisdom(成績B+、学んだ度★★★★★)

 

MBA生活始まって早々だったので、授業に対しても結構やる気があった…のだが、さすが新興のMBAだけあって、授業毎の当たり外れが非常に大きいということを痛感した。

 

例えばStrategic Alliance in China。その名の通り、中国における戦略的提携を扱う授業であるとシラバスにも書いてあったのだが、いざ始まってみると殆ど全く「中国」にも「提携」にも触れられず、なぜかロンドン発のFintechスタートアップの話ばかりを取り扱った笑 当該スタートアップの創業者をゲストスピーカーに招くなどもあり、それ自体は良い機会だったのだが、こちらもシラバスを読み込んで受講科目を選んでいるのだから勝手なことをされては困る。

 

また、最初は必修科目が多いので、商学部卒かつ経営コンサルタントをやっていた身としては、どうしても学びが少ない(法学部卒の弁護士がキャリアチェンジまたはキャリアにエッジを持たせるために来る、又は工学部卒のエンジニアが企画系に転ずるために来る、というのであればすごく意味があるのだろうが)。まあ、そんなことはわかっていたので、必修科目については仕方がない。

 

その点、The Art of War and Eastern Wisdomの授業はHKUSTならではの授業であった。全4回に過ぎないのだが、孫子の兵法をはじめとした東洋の智慧・東洋思想を深く掘り下げていき、個人としての生き方と企業戦略への応用について議論するという内容。正直内容を完全に消化しきれておらず、後半の課題として残るのだが、この授業を通じて一つ自分の中で鳥肌が立つほど理解が進んだ重要な考え方に触れることができたのは本当に良かった。

 

なお、ビジネススクールによってビジネス知識を一級レベルまで磨くことは難しいだろう、と思う。2年ぐらいのプログラムで、例えばファイナンスならファイナンスに絞って徹底的に偏った選択をすれば特定分野でそれなりの知識を得ることはできるだろうが、例えば一橋大学の商学部で4年間みっちりやったトップクラスの学生の方ならば、知識レベルではMBA生よりも強いと思う(HBS, Stanfordなどでも同じだと思う)。

 

では、MBAに来た意味はないのか…?と言えば、そんなことはないというのが現時点での答え。この点についてはいずれ触れたいと思う。

Fall 2

Global Macro Economics(成績B+、学んだ度★★★★★)

Marketing Strategy and Policy(成績A-、学んだ度★☆☆☆☆)

Data Analysis(成績A、学んだ度★★★★☆)

Operation Management(成績A-、学んだ度★★★☆☆)

China's External Relationship(成績A-、学んだ度★★★★★)

 

コア科目は、看板教授のRaoによるGlobal Macro以外は取り立てるべきものがなかった。Data Analysisは初等の統計学ではあまり扱わない話に入り込んでいき、自分は興味深かったのだが恐らく大多数の学生にとっては謎だっただろうし、Operation Managementは本来オペレーションの授業でカバーすべきことを扱わず、News standだの待ち行列だの、割と限られた問題における計算演習に重きを置いていて、これまたMBAの趣旨として「?」と思わざるを得なかった。

 

Rao教授を除けば、China's External RelationshipもHKUSTならではの中国系授業。この授業に関する説明は、敬愛する川崎さんのブログにお譲りしたい。

ちょっと脱線するが、選択科目が予想していたより面白いので少し紹介したい。

現在受けているある授業は、ニューヨークタイムズ、ウォールストリートジャーナルの記者を経て教授をしている人に教わっている。文化大革命直後の閉鎖的な中国で記者として動くことを許可された数少ない一人である。

この授業は中国と周辺国の関係について歴史、外交、経済の関係を分析するというもの。加えて、毎回その関係を語るにふさわしいゲストスピーカーを呼ぶ。ゲストスピーカーはAmbassador、公的機関のRepresentativeのレベルの方々である。プレゼンは15分、Q&Aは平均90分というところからも、学生とゲストスピーカーのやり取りがいかに活発かがわかっていただけると思う。教授のプレゼン能力は極めて低いものの、コンテンツのすばらしさ、準備に対する姿勢などから、普段は辛辣なコメントを吐く友人達からも評判がとてもよい。「Awesome」との評価を受けている。 

今年も、各国の大使館をはじめ、そうそうたる所からゲストスピーカーにお越し頂いた。中でも、親中派で香港人から結構嫌われているRegina Ip氏が来た回は、香港人に話すと羨ましがられたものである。その他、中国からは一切招かずに、ひたすら世界各所からお呼びして中国に関する見解を語って頂いたのは貴重な機会であった。

Winter

Responsible Leadership and Ethics(成績?、学んだ度☆☆☆☆☆)

Managerial Communication(成績?、学んだ度★★★★★)

 

Responsible Leadershipの授業は本当にひどかった。過去数年この講義を同じ教授で開いているはずだが、レベルが低すぎて話にならない。EthicsはMBAの重要科目なのだから、MBAOは真剣に改善を検討すべき。

 

一方、Managerial Communicationは本当に素晴らしい授業だった。15人ほどの小規模なクラスで、一対一・一対多・多対多など様々なシチュエーションで、プレゼンもしくは即興のQ&Aやストーリーテリングをする授業だったが、ほんの8回の授業を通し、はじめて英語でのプレゼンにある程度自信を持つことが出来た。これまではしゃべることを一言一句覚えていないとプレゼンに臨むのが怖かったのだが、ポイントさえ頭に入れておけば手ぶらで臨んでもなんとかなる、という心持ちになることが出来た(もっともあくまで最低限のレベルであって、英語力もひどいものなので自分で録画したビデオを見返しすと恥ずかしさに悶絶してしまう)。

 

ことMBAに来てからというもの、英語に限らずプレゼンそのものに関しては実に学ぶところが多い。言語力だけでなく理解力、背景知識などが異なる聞き手を相手に、如何に惹きつけ・理解し覚えてもらい・動いてもらうかを、ここに来てはじめてといっていいほど考えている。恥ずかしながらこれまでコンサルタントの仕事をそれなりの期間やっていながら、プレゼンを軽視していたということが身に染みた。

交友関係・課外活動

友人Aの結婚式

コアグループが一緒の友人Aが結婚式を挙げた。彼はフランスから香港に転職しもう10年弱ここにおり、当地で香港人の女性とこのたび結婚することになったのである。香港でご祝儀ってどうするんだ!?など、こちらにとっても色々初めてのことがあり戸惑ったのだが、ベイエリアが見渡せる凄まじい夜景のレストランでの結婚式に招いてもらったことはいい思い出になった。

スキートリップ

Aの結婚式が終わり、その足で空港に向かいゴミ箱にスーツを脱ぎ捨て、同級生約30人と共にニセコにスキー旅行に行った。他の日本人二人が色々と細かい気づかいをしてくれたこともあり、皆非常に喜んでくれ、間違いなくMBA生活の中でも記憶に残る思い出になったことは間違いない。しかし調子に乗って滑っていたら森の中で木に激突し肋骨を折ってしまい、まだ痛む。

ケースコンペティション

学内の選考チームに残ることができ、2月の8~10日に米国イリノイ大学のケースコンペに参加できることになった。HKD15,000がポンと渡されるので、帰りに少し米国旅行を楽しむ余裕もありそう。正直MBAのケースコンペはあまり好きじゃないのでコンペ自体は何も楽しみではないのだけど、これも良い思い出になるといいと思う。また、プレゼンはとにかく場数がものをいうところもあるので、これも英語プレゼンのいい練習になることを期待。

 

2回に分けて書く予定だったけど、面倒くさくなったので一旦ここでおしまい。