香港MBA留学記

香港科技大学MBA留学で経験したこと、考えたこと

外国人臨時宿泊登記(後編)

(前回まで)

LINEの送信ボタンを押してからふとまた不安になる。なんでこいつ、LINEなんだ…?中国人ならWeChatだろ。仮に海外にいようが、WeChatを使わないのは不自然だ。こいつひょっとして中国人じゃないんじゃ…?そういえばこいつ美人すぎるんだけど、Airbnbで売りやすいように名義だけ貸してるやつなんじゃ…?てことはこいつ、不動産の所有者でもなければ真の貸主でもないんじゃ…?すなわち一種のハニートラップ…?これ以上深入りすると最後すごい怖い人出てきた上にパスポートに「淫虫」って押されてもう入国できなくなるんじゃ…?(それは台湾)

 

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カナダにいるAirbnbの貸主VanessaにLINEを送ったところ、数時間後に返事が返ってきた。

Vanessa > 不動産の持ち主は法人で、〇〇公司。担当者は〇〇。私の中国名は〇〇。はい、本件は転貸です。登録がうまくいくことを祈っています。

拍子抜けするほど簡単に教えてくれた。いやいや、不審なことはまだ残っている。

 

僕 > 変なことを聞くけど、Vanessaは中国人なの?

Vanessa > 中国人ですよ。なぜ?

僕 > WeChatじゃなくて、LINEかWhatsAppで連絡しようって言ってきたから

Vanessa > はは、あなたが日本人だからそちらの方がいいかなと。私は昔から日本が大好きなので、今回あなたに泊まって頂けて嬉しく思っています。RFTR(外国人臨時宿泊登記)のことで面倒をかけて申し訳ないです

 

なんと、普通にいい人じゃないか。あなたの好意を疑って申し訳ありませんでした。僕は心が汚れているんです。

vs警察(2回目)

前日訪れた際には不動産の所有者の名前さえ分かればよいということだった。だが、そもそもこの物件で転貸が認められているのか(自分が気にすることではないのだが)、また、会社が持ち主ということになるとその会社に連絡せよといったことになると面倒くさいと思い、法人所有であることとVanessaの存在は伏せておき、いざとなったら伝えることにしようと思った。

 

僕 > 書類を全部持ってきました。不動産の所有者の名前はこれです(不動産会社の担当者の名前を見せる)

警察官 > 確認します(でかいファイルを持ってきて調べ出す)。不動産の所有者の名前はなんですか?

僕 > (なぜ同じことを聞いてくる!?中国語が通じなかった!?)これです(もう一回見せる)

警察官 > いいえこれではありません

僕 > (あのファイルに全ての所有者情報が載っているのかな?本当のことを言うしかない)あー、忘れてました!この人は担当者で、持ち主は〇〇公司という会社です。〇〇という人が借りていて、その人が僕にAirbnbで貸しています

警察官 > はい

 

・・・どうやらOKそうだ。

 

となると、次は罰金を課されるかどうかである。この登記は本来入国後24時間以内に必要なものだが、既に2週間ほど遅れている。しかしそこは中国、現場の判断でただのwarningで終わることもままあるそうなのだ。ここは一つ、MBAで培った羞恥心ゼロ精神で捲し立てることにした。

 

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!私、中国愛してます。私中国いる理由です。留学勉強しています。中国愛してます。中国歴史、中国文化、中国人。私パスポート見る?たくさん、中国行ってます。いっぱい中国行きたい。中国の夢、私の夢。中国愛してます」(原文の中国語レベルを再現)

 

警察官がどこかに電話をかけ出す。自分のリスニング能力ではあまり聞き取れないが、8/25に入国しているのにまだ登記をしていない日本人がいる、と報告してるようだ。きっと彼女は罰金を課すべきかどうか上司に相談しているのだろう。

 

彼女の電話が終わった。

「次中国に来るときは必ず登記しますか?」 

「はい!!!!」 

 

なんというか、めちゃくちゃ感じのいい警察官だった。公安ってもっと問答無用で怖いのかと思ってたよ。最後ちょっと笑ってたしな。

 

ふと横を見ると、若いアメリカ人が必死な様子で英語で警察官と話していた。「8月の終わりまではホテルに泊ってたから不要だったんだけど、その後今のところに移ってから登記のことを知らなくて・・・はい、大学生です。本当にごめんなさい。罰金ですかね・・・?」

 

ハーン!こいつも苦労してやがるな。ここは初めてか?肩の力抜けよ。しかもたかだか1週間ぐらいでそんな(笑)こっちは2週間やってんだから。急に先輩風を吹かせたい気分になってきた。アメリカ人を担当している警察官が奥に引っ込んだすきに、僕は"Should be OK ^_<"と如何にもウザい顔をしながら話しかけた。彼は突然話しかけられたことに一瞬びっくりしながらも、"Yeah"とだけ答え、すぐに目を逸らして"I hate mosquitos"と言いながら足元の蚊を気にしていた。

終わりに

警察署、及び担当の警察官にもよると思いますが、今後Airbnbを利用して中国に滞在しようとする方のお役に立てれば幸いです。