香港MBA留学後記

留学、その後

英単語を1.5万個覚えると世界はどう変わるか

英語を諦めてしまう前に

突然だけど、今回の人生において英語の勉強はこの辺にしておいた方がいいのかなとここ数ヶ月考えていた。何せ投資対効果が悪すぎるのだ。冗談抜きで、機械翻訳も今後ますます発展する中、英語の習得に途方もない時間をかけるべきかというのは真剣に議論されるべき論点だ。

 

既に「ある程度」の英語力が身についているということもある。ここでいう「ある程度」を思い切って書き下すと、

  • MBAの授業で教授が話している内容は殆ど理解できる
  • しかし実はネイティブの学生が突如繰り出す質問についていけないことも多い
  • 言いたいことを整理する時間があれば、文法的にまずまず正しい英語を皆が分かる発音で発信することができる
  • しかし流暢な人同士が話している流れに食い込もうとすると、かなりブロークンで聞き手に忍耐を強いる英語を話さざるを得ない
  • 殆どの映画やドラマを字幕なしで観ても楽しむレベルで理解することが出来ない
  • The Economistなど教養あるネイティブが読む雑誌を辞書なしで読むことも厳しい
  • TOEFLは100点取っている
  • TOEICはTOEFL70点台の頃に930点だったから、今は満点取れるかもしれない
  • しかし上記の通り、自分の英語運用能力に絶望している

といったところだ。つまり一言で言えば、「何か特別な理由があればチームメンバーに入れてやらなくもないが、基本的にはストレスなく意思疎通ができないし、英語圏におけるポップカルチャーや時事の話題にも疎いので避けたい外国人」というのがグローバルチームにおける自分の英語力の客観的な評価となるだろう。

 

中学生で英語の勉強を始めた時、自分の目標はアメリカの映画を字幕なしで観られるようになることだった。英語の授業が始まってすぐに、日本橋の丸善にバック・トゥ・ザ・フューチャーのスクリプト本を買いに行った。それから決して少なくない時間を英語につぎ込んできたけど、その目標が達せられる感じは全然してこない。

 

冒頭で述べたように、英語の勉強をここらで止めるのも、合理的な判断の結果として十分にあり得る。というか、他の人が全く同じ境遇にあったら、そのようにアドバイスする気がする。「もうそのへんで十分だろ。日本人として悪くない水準だよ。お前にはもっと向いてるものがあるから、そっちに時間を投資すべきだよ」と。

 

しかし、自分は本当にできることを全てやっただろうか。それどころか特に留学に来てからは、英語の勉強から逃げていたような気すらする。MBA留学に来て英語を勉強しようとするのは日本人だけである。自分は、ろくに英語もできないくせに、英語を勉強することをともすれば恥ずかしく感じて、問題なく毎日をこなせているようなふりをすることに精いっぱいになっていなかったか。なんてダサいんだ。

 

他にもやりたいことがたくさんあるから、英語にばかり時間を使うわけにはいかない。でも、英語に見切りをつけてしまう前に、最後にやってみたいチャレンジがある。

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MBAでは習わないデータ分析

来週マーケティングのクラスでチームに分かれてのディベートが予定されているのでケースを読んでいたのだけど、ふとある分析を思い立って少し手を動かしてみたら、いくつか大きな問題はあるものの、クラスで発表する分には十分に面白いのではと思える結果が手に入った。

 

コンサルタントの世界から離れて生活するようになって、コンサルタントならではの物事の考え方や表現の仕方の良いところ・悪いところを感じるようになっているのだが、今回20分程度でこの分析を完成させられたのは、明らかに良いところではないかと思えたので、自分の勘を鈍らせないためにも記録しておこうと思う。

  

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Fall 2開始

あっという間にFall1が終わってしまった。授業の振り返りなども、成績が出揃ったところでまとめておきたいと思う。

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さて、Fall 2は以下の授業に登録している。

  • Global Macro Economics
  • Marketing Strategy and Policy
  • Data Analysis
  • Operation Management
  • (選択)China's External Relationships and Their Economic Impact ※前半のみ
  • (選択)Asian Invisible Giants, Japan and Korea ※後半のみ
  • (選択)Mandarin Level 3
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誰も教えてくれないビットコインへの純粋な疑問

もちろんこれまでも「ビットコインがここまで上がった」とか「日本の法規制がとうとう仮想通貨を認めた」とか、何だか景気のいい話は耳に入ってきていたのだけど、ここ1~2週間で立て続けに身の回りでもビットコインの話が聞こえてきた。

 

「ビットコインの会社を作り、大手と提携しました」

とか

「友達の彼氏がビットコインの会社を作ったんだって」

とか、そういう話である。

 

以前Fintechについてまとめて勉強した時に、ブロックチェーンについては多少の知識を得たのだけど、ビットコインについてはずっとシンプルな疑問を持っていた。それは、

 

「価格がこれほど乱高下するものが果たして決済手段として普及するのか?」

 

ということだ(そもそも「ビットコインの会社」って何だ?みたいなこともあるのだけど)。そうはいっても他にやりたいことが山ほどあるので放っておいたのだけど、あまりに世の中が盛り上がりすぎていて、今後数年で何か大きな動きがあるように思ったので、自分なりの考えと疑問を一度整理しておくことにした。

 金融での勤務経験があるとはいってもプライマリーマーケットで数年過ごしただけなので、決済関連やその他経済全般には素人同然であるということ、及び一部憶測や仮説も含んでいる点はご理解頂き、理解に誤りがある点などあれば是非ご指摘頂ければと思う。自分はただ、「本当のことが知りたい」だけである。

 なおビットコインを支えている技術であるブロックチェーンに関しては、自分は元より肯定的である。

 

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TOEFL100点を超え米イディオムを勉強すべきかの話

要約:色んな英語力の人達に難度高めのAmerican idiomのサンプルを見てもらい、どのぐらい知っているかを調べてみた

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モゴモゴバスターという英語リスニングの教材があって、アフィリエイトでもあれば全力で売り込みたいぐらい素晴らしい教材なんだけど、その作者の方から新作のイディオム教材の案内が来たので購入を真剣に検討した。

TOEFL100点以上程度のレベルであれば、相手が非英語ネイティヴである限りはどんなに英語ができる人と会話していても知らない単語に出くわすことはあまりない(The Economist等の文章内で知らない単語がないとは言っていない。むしろこの程度のレベルでは知らない単語ばかりだろう)。

ところがコーポレートファイナンスでグループを組んでいる米人Pの英語聞き取りには、めちゃめちゃ苦労している。体感理解度50%ぐらい。米人でも教授はゆっくり明瞭に話してくれるのでほぼ完全に理解できるのだが、北京から一緒のこのPは常に全く容赦がない。お前な、多国籍チームではネイティヴ側もちょっとは気を使うべきなんじゃねーのかとも思うのだが、日本人を除く他の非ネイティヴは普通に理解できているようなのでやはり自分がなんとかするしかないのが現実。

そこでここしばらく、なぜPの英語が(特に)聞き取れないのかを冷静に考えていたのだが、スピードは実はそこまで速くないので、米特有の発音変化が一つでこれはモゴモゴバスターで対策可能として、もう一つはイディオムじゃないか・・・?と思うに至っていた。イディオムはその名の通り慣用表現であり、構成している単語自体は平易なものが多いので、発音変化もえぐく、聞き取りに明らかに支障をきたす。

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