職場で一番かわいがってくれている上司のことを、僕は密かにOKB38と呼んでいる。
38歳の岡林さんだからというのがその由来だったけど、つい2時間ほど前に彼は39歳になったはずだ。
「おかげさまで明日39歳になります」と、彼は帰り際に突然宣言した。
「おめでとうございます。とてもそうは見えないでやんスね」と僕は卑屈にゴマをすった。
彼のスケジューラーで明日の18時以降がブロックされていた理由がわかった。
(彼は、クリスマスイヴと誕生日だけは遅くとも定時に帰る。)
「しかし30代後半になるとだな」と彼は続けた。「頭の衰えだけはどうにもならんのだ」と。
だから、その前になるべくやりたいことをやっておくべきだというのが彼の主張だった。
勉強ですか、と僕は聞いたけど、勉強に限らずだ、と彼は言う。
「そうすると、小職は何をするべきか皆目見当がつかないでやんス」と正直に伝えると、
「それは自分で考えるしかないなあ」と困った顔をして帰ってしまった。
だから僕は自分で答えを探さなくてはいけなくなったのだけど、
それは今現在の自分の力で最大限人生を楽しむという喜ばしい作業のように感じられた
Happy 39th Birthday
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