91歳になる僕のひいおばあちゃんが持っている杖は赤くておしゃれな代物で、それなりに高価なものらしい。ところが先日おばあちゃんが整形外科に行った時、少し目を離した隙になくなってしまったんだそうだ。
慌てて周りを見渡すと、別のおばあさんがその杖をついてまさに自動ドアから出て行こうとしているところだったようで、ひいおばあちゃんは「それあたしの杖です」と止めたらしい。そうすると赤い杖をとったおばあさんは、「あたしの杖はボロボロのだから、赤くていい杖があったからこりゃいいと思ってもらった」と開き直ったとのこと。「そんなのいやだから返してくれ」と、僕のひいおばあちゃんはなんとか赤い杖を返してもらったんだそうだけど、帰り際に杖を盗ったおばあさんがついている杖を見たら、それこそ棒っきれみたいな杖だったそうだ。なんかかわいそうだな。
ひいおばあちゃんは杖をついているとはいえなお健全で、家事も全て自分でやっているし、今でも親戚一同を大爆笑させる話術を持っているらしい(僕自身は随分長いこと会っていない)。
母づてにひいおばあちゃんの話を聞いて思い出したのだけど、亡くなってしまったひいおじいちゃんは随分色々な仕事に挑戦した人なのだった。戦争に行って、死んだと報を受けていたのにある日突然帰ってきて、その後何しろ様々やったらしい。海の家までやったことがあるってんだからすごいよね。
明日からは人のためじゃなくて、自分のために仕事ができるか試してみよう。健全な自己中になろう。
それにしても・・・。
はじめてのおつかいはいつ見ても面白いな。
これだけは欠かさず見てるよ。
ひいおばあちゃんの赤い杖
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